不妊症と「トランス脂肪酸」摂取について
私たちが毎日摂取している食品に含まれる「油」について今回考えてみたいと思います。その油の摂り方次第で妊娠しやすくも、しにくくもなると言われています。その不妊のリスクを高めると言われている代表的な油が「トランス脂肪酸」と言われる油です。みなさんご存じですか?お菓子のパッケージの裏面によく「植物油」とかの表示があるものです!
※さて「トランス脂肪酸」とはなんでしょう・・?
植物油を加工する工程で発生するモノ(副産物)で、私達の体にとって有害とされる物質です。欧米ではすでに食品に使うことを制限している国もあります。しかし、日本では一時期問題になりましたが、そのまま使用されているのが現状です!
【トランス脂肪酸を含んでいる主な食品】
●マーガリン、ピーナッツバター、コーヒークリームなど
● ショートニングが含まれる食品ケーキやクッキーなどのお菓子
● 高温で精製してつくった植物性油脂コーン油、綿実油、なたね油など
● 植物性油脂を高温で調理、加工したものスナック菓子、フライドポテト、マヨネーズ、レトルト食品、冷凍食品、チョコレート、アイスクリーム、ドーナツ、チキンナゲットなど
そしてその中でも不妊の原因のひとつの排卵障害または多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を引き起こす危険性のある五大食品として
①チョコレート
②生クリーム
③マーガリン
④コーヒーフレッシュ
⑤サラタ油
が上げられます。
【トランス脂肪酸と不妊症の関係】
トランス脂肪酸の油脂は体内で代謝されにくいので体内に残りやすいのです。別名「プラスチック油」と言われているほどです。
血液中のLDL(悪玉コレステロール)を増やし、HDL(善玉コレステロール)を減少させ、動脈硬化、心筋梗塞などの心臓疾患やアトビー、花粉症などのアレルギー疾患、癌、認知症などの病気を発症させてしまうと言われています。
妊娠可能な女性にアンケートや食事などについて追跡調査をした結果、全体の油の摂取量に対してトランス脂肪酸の摂取量が2%増加するごとに排卵性の不妊症が高まるとわかりました。また、オリーブ油などの良質の油を摂取している場合と比較すると、それにかわってトランス脂肪酸で摂取した場合は、トランス脂肪酸の摂取量が2倍になると排卵性の不妊症になる危険性が23倍も増加するとわかりました。
また男性不妊についても、トランス脂肪酸を多く摂る男性ほど精子無力症になりやすく、オリーブオイルやDHAをよく摂る男性ほど精子無力症になりにくいことが明らかになっています。
トランス脂肪酸を最も多く摂取する男性は最も少ない男性に比べて2.53倍、リスクが高いことがわかりました。トランス脂肪酸の摂取は精子無力症のリスクを高めます
妊娠をしたいご夫婦は、トランス脂肪酸の摂取量を控える方がいいとされています。トランス脂肪酸を多く含んでいる加工食品などを頻繁に食べているような食生活は避けたいですよね。これを機会に、冷蔵庫の中の食品や普段食べている加工食品や冷凍食品の摂取量を是非、見直してみてはいかがですか?少し気を付けるだけで「トランス脂肪酸」の危険性から逃れられると思います!